僕自身がWebアクセシビリティという言葉に出会った、正確にはガッチリ歯車が噛みあったのは「ミツエーリンクス:木達一仁氏」が仙台にて開いたセミナー「レスポンシブWebデザインのこれから」にて説明してくれたことが発端でした。
正確には「WCAG2.0」を参考に自分自身で学習をしたりしたものの、当時(2004年辺り)からWebデザインに関わる上でWCAGについて語り合える人に出会えなかったこともあり、東京ではスタンダードなんだぁ、、、と勘違い感動したのを覚えています。
10年程経つ中で、Webアクセシビリティをやってこれたかというと、「既存のWebサービス、もしくは開発中のWebサービスに後付けで対応しなければならない」ということが大半であり、求められれば個人的に対応する「Webアクセシビリティは矜持である」というできる範囲で行っていました。
この10年でWebアクセシビリティについて言及する書籍も、クリエイターの方々も増えてきたのは偉大なる先人たちがコツコツと広めてきてくれたからに他ならないと思います。
前置きが長くなりましたが、そんな偉大なる先人たちの集大成と感じることができた書籍「Webアプリケーションアクセシビリティ」を読みました。
(物理的に)重厚な書籍の内容は技術書としてはもちろん、様々なノウハウがふんだんに盛り込まれていながらも、この手の書籍はどうしても「Tips集」になりがちな印象がありますが、「アクセシビリティとは」に対して真摯に向き合い、語りかけてくれています。
個人的に度肝を抜かれたのは「第8章 アクセシブルなUI設計の原理を導く」です。
僕もずっと周囲に言ってきた「はじめからアクセシブルにする」というクロスカウンターをラストに持ってくるあたり、本気度が伺えます。
大体この手の「啓蒙」は最初に語りをして入れてくるのがなんとなくよくある読ませ方なのかな、と思うのですが重厚なノウハウ伝授からの「とはいえ最初からやろうぜ」と根本的な提示はぶったまげました。
啓蒙と実用性を兼ね備えた最高にアクセシブルな書籍なので、特にWeb制作に携わる方々全員に読んでいただきたい書籍です。