この記事には多くのネタバレ及び妄想が含まれています。
細かい表現、演出によって考察しがいのある物語「水星の魔女」。
３ヶ月ほどの時間をおいてシーズン2が開始しました。
前回の終わり、テロリストとの争いからわずか２週間後という時間軸であり、個人的に予想していた「数年後ないしは学園生活は終わりを迎えている」は大きく異なり、ほぼこれまで通りの生活感でした。
前期ラストのスレッタと後期スタートのスレッタに違和感
前期ラスト「やめなさい」による行動とその後の言動が従来のスレッタと異なり、巷では「スレッタとエリクトが入れ替わった」みたいな考察が錯綜していました。
後期スタートからエリクト復活からの地獄が待っているのか？とか思っていたら思いの外、これまで通りのスレッタ。しかし、「やめなさい」の記憶と判断はしっかり残っていることから、単純に入れ替わったとかではなさそうです。
どんどんエリクトに入れ替わっているのか？という考察もできそうですが、どうなんでしょう。
また、スレッタ（エリクト？）がエアリアルの額の水晶？に取り込まれているようなビジュアルが公開されたこともありエアリアルの中に既に組み込まれており、スレッタに対してグラデーションのようにエリクトがインストールされていっている、みたいな考察もできるかもしれません。
プロスペラから相変わらず愛情を感じられない
水星の魔女においてプロスペラが復讐のために暗躍し、復讐のためにスレッタを道具のように利用しているのですが、スレッタにエリクトがインストールされた場合は愛情は持つはずです。
プロスペラの徹底した「愛情の希薄さ」はスレッタがエリクトのクローンでも、妹でもなく「孤児」ではないかと思います。
というのも、スレッタは小説版「ゆりかごの星」でも出てきていますがそのビジュアルは語られていないため、肉体構造そのものを操作できるこの世界観では外見そのものを簡単に再現できます。
また、クローンだとしたら「ゆりかごの星」でのエアリアルからの愛情？友情？は違和感を覚えますし、他に沢山いてもおかしくないかなと。
また、スレッタがなにも知らなすぎるのにも違和感があります。使い捨てが可能なクローンだとしたら、教育や実験などで様々な知識や経験を得ていてもおかしくなさそうですが、スレッタはあまりにも無垢です。
このことからスレッタは孤児として育てられ、「孤児にとってのお母さん」のために一生懸命がんばっているだけの少女に過ぎず、たまたまエアリアルとの同調にうまく行ったたくさんの孤児の中の一人にすぎないためプロスペラからは愛情が感じられないのではないかと想像できます。
個人的にはクローン説でもあったのですが、だんだんと孤児のほうがしっくり来るような情報が多すぎるので、孤児を仮定してみました（エランとか、地球側の事情とか）
エアリアルにとっては最愛の存在
とはいえ、「ゆりかごの星」を読んだ前提とはなりますがエアリアルからスレッタに対しての愛情は、「母親以上」の感情が向いているように思えます。
また、エアリアル＝エリクトだったとして、エリクトがスレッタにインストールされていくのは拒否できないものなのか、とも思いますがそこらへんは機械ということもあるので抗えない事情もあるかもしれません。
母親に対してもスレッタを巻き込まないで、という「ゆりかごの星」から読めたメタ的な視点からもエアリアルとプロスペラはコミュニケーションが取れないはずなので、プロスペラの一方的な想いとエアリアルの想いのすれ違いが起きているようにも思えるのがなんとも哀しい状況です。
ドロドロした展開は変わらず、力技による急展開もなし
というわけで水星の魔女は相変わらずドロドロしていますし、シーズンが変わるときに大きく展開を変えるわけでもない、今後不穏な情報ばかりが展開されていく状態でワクワクさせられますね。
しかし、これがガンダムか？と尋ねられるとかなり疑問符が出てくるため近年のガンダムという名の付いたSF作品としてみれば、間違いなく面白い作品ではあります。
エアリアルの感情、もしくは思考がスレッタ以外の人にも感じられるようになったら物語は急展開を迎えると思いますが、はてさて。
