Webサイト制作を依頼する際に、制作会社やフリーランサーに対して、自分の要望や予算を明確に伝えるためには、RFP(提案依頼書)が必要です。初心者の方でもわかりやすく、RFP作成のポイントを解説します。
1. プロジェクトの目的と目標を明確にする
まず、Webサイト制作の目的と目標を明確にしましょう。これにより、制作会社に対して自分の意図を正確に伝えることができます。
- ビジネス背景の説明: なぜこのプロジェクトが必要か、どのような背景があるかを簡潔に説明します。
- プロジェクトの目的: Webサイト制作によって達成したい具体的な目的を列挙します。
- プロジェクトの目標: 目的を達成するための数値目標や、成果物の要件を記載します。
- 成功の定義: プロジェクトが成功したと言える基準を設定します。
1. ビジネス背景の説明
#### ビジネス背景 - 会社の成長を続けており、オンラインでの認知度向上が急務 - コロナ禍により、オンラインでの売上が重要になっている
2. プロジェクトの目的
#### プロジェクトの目的 1. オンラインでの認知度向上 2. 商品のオンライン販売促進 3. ターゲットユーザーへのリーチ拡大
3. プロジェクトの目標
#### プロジェクトの目標 1. Webサイトの月間訪問者数を現状の2倍に増やす 2. 商品のオンライン売上を現状の1.5倍に増やす 3. ターゲットユーザーに対する広告CTR(クリック率)を2%以上にする
4. 成功の定義
#### 成功の定義 1. 目標訪問者数・売上の達成 2. ターゲットユーザーからの好評価 3. 高いユーザーエンゲージメント(再訪問率、滞在時間など)
2. ターゲットユーザーを特定する
ターゲットユーザーを特定するためには、年齢層、性別、地域、興味・関心、使用デバイスなどの属性を明確にしましょう。さらに、ターゲットユーザーのニーズや課題を理解することが重要です。以下にフォーマットを示します。
2.1 ターゲットユーザーの属性
ターゲットユーザーの属性を詳細に記述します。
#### 年齢層 - 25歳~35歳 #### 性別 - 女性 #### 地域 - 日本全国 #### 興味・関心 - ファッション、美容、健康 #### 使用デバイス - スマートフォン
2.2 ターゲットユーザーのニーズと課題
ターゲットユーザーのニーズや課題をリストアップし、それに対応するWebサイトの機能やデザインを考えます。
#### ニーズ - オンラインで簡単にファッションアイテムを購入したい - トレンド情報を知りたい - コーディネートのアイデアが欲しい #### 課題 - 他のオンラインショップとの差別化が難しい - 商品ページが見づらい - サイトのデザインが古く、信頼感が薄い
これらの属性やニーズ・課題を整理することで、制作会社はターゲットユーザーに対して適切なデザインや機能を提案できます。初心者でも、自社のターゲットユーザーについて考え、リストアップすることでアイディアが広がります。
3. 必要な機能とデザインをリストアップ
Webサイトで必要となる機能とデザインをリストアップしましょう。これにより、制作会社が適切な提案をしやすくなります。
3.1 必要な機能
ターゲットユーザーのニーズや課題に対応する機能をリストアップします。必要な機能をカテゴリ別に分けて記述すると、より分かりやすくなります。
#### コンテンツ管理 - ブログ機能 - 商品詳細ページ - カテゴリ別商品一覧ページ #### 顧客対応 - お問い合わせフォーム - よくある質問(FAQ)ページ #### 販売促進 - クーポンコード発行機能 - メールマガジン登録フォーム - 限定セール情報ページ #### 会員機能 - 会員登録・ログイン機能 - 会員限定コンテンツ - お気に入り商品登録機能
3.2 デザインの要望
デザインに関する要望をリストアップします。ターゲットユーザーの属性や好みを考慮し、ビジュアルや操作性についての要望を具体的に記述しましょう。
#### ビジュアル - シンプルで洗練されたデザイン - ブランドカラーを効果的に使用 - 大胆なビジュアルを用いたトップページ #### 操作性・ユーザビリティ - スマートフォンに最適化されたレスポンシブデザイン - ショッピングカートへの追加が容易なUI - クリック数を減らす直感的なナビゲーション #### その他の要望 - SEO対策を考慮した構造 - アクセシビリティに配慮したデザイン - 高速なページ読み込み速度
4. 予算と納期を明記
予算と納期を明記することで、制作会社に自分の要望を正確に伝えることができ、効率的なプロジェクト進行が期待できます。
4.1 予算
予算は、Webサイト制作費用やその他関連費用を具体的に記載しましょう。また、予算内での最適な制作プランを提案してもらうために、予算の内訳や優先順位も明確にしておくと良いでしょう。
#### Webサイト制作費用 - プランA: 120万円 (デザイン重視) - プランB: 100万円 (機能重視) - プランC: 80万円 (シンプルな構成) #### その他関連費用 - ドメイン・サーバー費用: 2万円/年 - 画像・フォントライセンス費用: 5万円 #### 優先順位 1. デザインのクオリティ 2. 必要な機能の実装 3. 予算の範囲内での制作
4.2 納期
納期は、プロジェクトの開始日とWebサイト完成の期限を明記しましょう。また、プロジェクトのマイルストーン(重要な進捗ポイント)を設定しておくことで、制作会社が計画的に進められます。
#### プロジェクトスタート - 2023年4月1日 #### Webサイト完成 - 2023年6月30日 #### マイルストーン 1. デザイン案提出: 2023年4月15日 2. 機能実装完了: 2023年5月31日 3. 内容入力・最終チェック: 2023年6月15日
5. 提案書提出方法と締め切り
提案書の提出方法と締め切りを明記することで、制作会社がスムーズに提案書を作成・提出できます。
5.1 提案書提出方法
提案書の提出方法について、ファイル形式や提出先を具体的に記載しましょう。
#### ファイル形式 - PDF形式の提案書 - サインオフ可能な電子署名用フォーマット #### 提出先 - メール提出: [email@example.com](mailto:email@example.com) - ファイル共有サービス: Google Drive、Dropbox 等 - 提出フォーム: [提出専用フォームURL](https://example.com/form)
5.2 提案書締め切り
提案書の締め切りを明記し、制作会社が期限内に提案書を提出できるようにしましょう。
#### 締め切り - 2023年4月7日(金)18:00まで
5.3 その他注意事項
提出に関するその他の注意事項や、選定基準などを明記しておくと、制作会社が適切な提案書を作成しやすくなります。
#### 注意事項 - 提出物には、デザイン案や機能一覧、開発スケジュール、予算内での最適なプランが含まれていること - 提案書には、制作会社の実績や担当者のプロフィールを記載すること #### 選定基準 - デザインのクオリティ - 予算内での機能実装 - 納期の遵守 - 制作実績や信頼性
6. その他の注意事項
その他の注意事項を明記することで、制作会社が円滑にプロジェクトを進められるよう、重要なポイントや特別な要件を伝えましょう。
6.1 業務連絡
業務連絡について、担当者や連絡方法を具体的に記載しましょう。
6.1 業務連絡
業務連絡について、担当者や連絡方法を具体的に記載しましょう。
#### 担当者 - 依頼者: 山田太郎 (メール: [taro@example.com](mailto:taro@example.com), 電話: 03-1234-XXXX) #### 連絡方法 - メールでの連絡を優先 - 緊急の場合は電話での連絡も可 - 定期的な進捗報告やミーティングの設定
6.2 開発環境・ツール
開発環境やツールに関する要件や希望を記載しましょう。
#### 開発環境 - WordPressを使用したサイト構築 - 特定のプラグインやテーマの使用要望 #### コラボレーションツール - プロジェクト管理: Backlog、Trello、Asana 等 - コミュニケーション: Slack、Microsoft Teams 等 - バージョン管理: GitHub、GitLab 等
6.3 著作権・知的財産権
著作権や知的財産権に関する取り決めを明記しましょう。
#### 著作権・知的財産権 - Webサイトの著作権は依頼者に帰属すること - オリジナルのコンテンツやデザイン要素は、他のプロジェクトで再利用しないこと - 開発したコードの再利用については、事前に相談すること
これらのポイントを押さえたRFPを作成し、制作会社に送付しましょう。適切な情報が伝わることで、自分の要望に沿ったWebサイト制作がスムーズに進むでしょう。