この記事はWebサイトの運用や構築を考えている事業主、中小企業のホームページを作ることを検討しているウェブ担当者の方に向けての記事となります。
ゼロから作るのはコストが大きすぎる
ホームページを制作する際、どのような流れで作られていくかご存知でしょうか。
いわゆるWeb制作会社が制作する際の流れは下記の通りです。
(もちろん、各社毎に色々細かいところは違うよ)
- 1お問い合わせ
どのようなホームページを作りたいかお問い合わせをいただく。この際、具体性を持ったRFP(Request for Proposal:提案依頼書)をいただくのがセオリーですが、たいていの場合はRFPのすり合わせが必要になる。
- 2ヒアリング(コスト:低)
どうしたいか内容を聞いて与件をまとめる。
- 3見積もり・提案(コスト:低)
与件を纏めた上で提案・見積もり。
- 4計画(コスト:特大)
プロジェクトをどのようにして推進するのか、どのように作るのか要件定義を行う。
- 5素材準備(コスト:中)
必要な素材を集める。ロゴやイラスト、写真やクライアントのサービスやコンテンツを説明するためにテキストなど。
ここがクライアントの負担になる場合が多い。
難しい場合はヒアリング段階で把握しておき、制作側が用意する前提の見積もりに含める。 - 6設計(コスト:大)
ワイヤーフレームやプロトタイプと呼ばれる、デザインを作る前の骨子。XDやフォトショップ、Figmaなどのツールを使用。
- 7デザイン(コスト:大)
設計をもとにデザインを行う。
- 8コーディング(コスト:中)
デザインをWebサイトとして公開できるようにするためにデータとしてコーディングと呼ばれる作業を行う。HTMLやCSS、JavaScriptと呼ばれる言語などを使用。
- 9システムなど開発(コスト:特大)
HTML+CSS、JavaScriptだけでは作れないような機能は別途システム開発が必要になります。
- 10検証(コスト:大)
本番と同じ環境にして、検証をします。
- 11公開・運用
制作した内容に問題がなければ公開日を決めて、一般ユーザーも閲覧できる状態に公開します。
その後、運用しながら改修が必要な部分があれば改めて「1」へ戻り、繰り返していきます。
規模や要望にもよりますが、概ねこの流れで作られていきます。
制作側とクライアント側が関わるタイミングについては触れていませんが、コスト、としての定義は所感です。ホームページを作る、という大枠だけでの内容なのでここにサービズデザインやUX・CX・DXなど絡んでいくともっと出てきますね。
レンタルできるもの、ありものでとっとと作ることで生まれるリソース
石橋を叩いて渡る流れだと、その分確認コストもかかりますしなにより「ドキュメント作成(提案資料・計画資料・設計資料・要件定義資料とか諸々)」にお金をかけるような形になり、加えてスケジュール的に何ヶ月もかかります。
なので、最近は個人で請け負う場合は下記のような流れも考えています。
- 1お問い合わせ
とにかく連絡もらうー。
- 2ヒアリング(コスト:低)
とっとと作るようのヒアリングシートなり、お問い合わせフォームをつくっておくー。内容確認して問題がないか確認するー。
- 3見積もり・提案(コスト:低)
作るものがある程度決まってるので提案もなにもない。こういうの作るよ、いいね!でだめならしっかり作ろうねという相談に。
- 素材準備(コスト:低)
がっつりこの段階で用意してもらわなくても、出来る範囲でのみいい感じに作る。
- 5CMSやツールなど準備(コスト:低~中)
WordPressやWixなどブロックエディター搭載しているものを用意。
- 6コーディング・デザイン(ブロックエディター)(コスト:低)
CMSやツールの機能であるブロックエディター(デザインとコーディングがセットになってるイメージ)を使ってリアルタイムでバッと作って見せる。XDなどのプロトタイプも兼ねる。仕様ももはやツールに依存する形なのでオッケーが出たらもうそれで終わり。
- 7検証・公開(コスト:中)
内容そのものに問題がないか検証。問題なければ公開!!
- 8運用しながら改修(コスト:謎)
とっとと作ったところでクオリティを上げるための改修などを行う。問題がなければむしろそのまま。改善にガンガンリソースを使う。
ここで重要なコツというのは、最初の段階でCMSなんかには「プラグイン」やら「テーマ・テンプレートをオリジナルでがっつり作る」ではなく、既成品に一手間加える程度のものもに抑えておくということです。
管理画面のカスタマイズとかなんて以ての外。CMSに元々ない機能の追加なんかもご法度です。
そんなことをするのであれば最初からゼロから作るコストが高い手法でやったほうが良いです。
なお、WordPressのブロックエディターで作るとこんな感じのサイトが直感的にすぐに作れますので、なんだったらWeb会議しながら作れるのでは、とか思ってしまいます。
サンプルサイト
http://wp-sample.ma-san.org/
コーダー・エンジニアとして見た場合、なかなか受け入れられないソースコードが出力されますがよくよく見てみると本当の意味でクリティカルな部分はほぼないというか、いや、ある、いや、適当にコーディングされたソースコードに比べたらよっぽどマシ。。。みたいになります。
まとめ
とっとと作って、運用して、よくするべきところはリアルタイムで改善していく。
そのためには構築のコストはなるべく削減できるように動く。
この「構築でコストを使うのではなく改善にリソースを費やすスタイル」がいいのではないかなーというのと、それを実行するためには余計な独自カスタマイズや独自ツールではなく、ありもののサービス(重要:プラグインではなく!!)などを利用するのがよっぽど健全だなぁと考えてます。
もちろん、独自開発やカスタマイズを行っている方々を否定するわけではなく、とっとこ作るよというスタイルならこういうのでもいいんじゃないかなーと思ったので纏めてみました。
あと、最大のメリットは構築されたサイトを別の方に引き継いだときに「いや、WordPressほぼデフォルトやないかい!」と突っ込みながらもデフォルトで余計なことをしてないからこそ、よくあるCMS改修事前検証にリソース削られまくる&事故発生爆発という余計なコストも削減になるかも、とか思ってます。