こんにちは!
今日は「ChatGPTと一緒に仕事をするときは、必要なスキルを持った人材がサポートしてくれるイメージで“一点特化型のGPTs”を用意すると効率的では?」という仮説を立てたので、読みやすく整理してみます。
結論からいうと、司令塔(マネージャGPT)+専門職GPTsの“小さな分業チーム”が、速度・品質・再現性のバランスを取りやすいなという印象です。
人間の現場でも、要件定義と実作業を分けるとスムーズになりますよね。生成AIでも同じで、役割を分けるほど会話が迷子になりにくいです。肩の力を抜いて、まずは小さく始めるのがコツです。
「万能1体で何でもやる」と詰まりやすい理由
生成AIの使い方としてよく見られるのはプロンプトの万能化を目指そうとして、例えば「初心者でもわかりやすく説明して」とか「専門用語を使わないようにして」のようなことをプロンプトに組み込むことで誰でもやりとりしやすくなるような返答をしやすくする、というようなチャットを立ち上げるような使い方とかを見ます。
「とりあえず汎用のChatGPTに全部投げる」で始めると、最初は便利に見えます。
ただ、要件が増えるほど、思考モードの切替が発生して迷いがちです。たとえば「要件整理」と「コード実装」では頭の使い方が真逆に近いです。ひとりで両方やると、優先順位が揺れます。ChatGPTも同様になんでもかんでも一つのチャットでやり取りするとだんだんとぶれていきます。
もう一つは、出力の粒度・形式のブレです。毎回の指示ごとに表現や構成が変わると、レビューや後工程で手戻りが増えます。さらに、変動情報(法令・規格・相場)が絡むと、根拠確認に時間が取られます。結果、スピードも品質もバラつきやすいです。
ここで“一点特化型のGPT”を導入すると、入力と出力の型が固定化されます。
たとえば「監査官GPTは“指摘表+根拠URL+修正差分”で返す」と決めておけば、次工程の理解が早いです。AIに「役割と完成形の入れ物」を渡してあげるイメージです。
小さな“社内GPTチーム”を作る:6役の基本形
自分の場合は6人+1人編成です。まず司令塔が企画立案からマネジメントを担当。要件定義と配車・検収をディレクターが担当し、という感じでGPTを作成。エンジニア等の専門職は自職域の成果物だけを納めます。判断の越境を止めると、会話がすっきりします。

以下、例になるようなGPT。
- 司令塔PM(ハブ)
要件のヒアリング→ブリーフ化→担当配車→DoDで検収。出力は「要件ブリーフ」「タスクリスト」「検収基準」。 - アクセシビリティ監査官
WCAG/JIS準拠で指摘→根拠→修正差分まで。代替テキスト案も提示。出力は「問題一覧(重大度/根拠/該当箇所)」「差分パッチ」。 - フロント実装コーチ(フロントエンド全般/CMS/フレームワーク等)
実装方針・差分コード・計測チェック。パフォーマンスを重視。 - 文章編集
見出し設計・本文・要約・内部リンク案。読みやすさ最優先で、専門用語はやさしく言い換えます。 - 法務・税務ファクトチェッカー
要件定義やガイドラインのチェック及び法務チェック等を根拠URLつきで注意喚起。最終判断は人の専門家に委ねる前提で、誤解を避けます。 - ディレクター(生成ルール係)
テスト・プロンプト・NGチェック(擬人化禁止など)を管理。
役割を分けるときのコツは、“境界線”を明記することです。司令塔は企画立案やRFPに沿って各業務が行われてるのかチェックをしたりします。各専門家は自職域をはみ出した判断をしない。不明点は司令塔に質問→決定→全員へ共有、という一本化された動線にします。
7つのメリット:チーム化で生産性が上がる仕組み
- 初動が速い
司令塔が曖昧な要求をし、プロトタイプを作ったりどのような意図があるのか、更には企画立案などもぶんまわせます。そしてプロダクトに対してどのような人材が必要かとかもざっくりまとめられたりしますので、誰が何をいつまでに、が最初から明確です。 - 成果物の“型”が揃う
コンテンツ作成に絞ると「タイトル→導入→見出し→本文→要約」など、レビューしやすい形で出て来るようにすることも可能です。 - 根拠確認の責任分担
法務や規格など変動情報は担当GPTが一次情報まで辿り、根拠リンクを添えます。会話の“後戻り”が減ります。ただし、最終的には人間の専門家が確認するというのはお決まりです。 - 標準手順が蓄積する
よく使うテンプレやチェックリスト、語彙集を各GPTの説明文に格納できます。次回以降の立ち上がりが短くなります。 - 同一スレッドで“担当交代”
司令塔→監査→編集→再監査のように、文脈を保ったまま交代できます。引き継ぎの齟齬が出にくいです。 - 観測とオーケストレーションが容易
ワークフローを工程化し、どこで詰まっているかを観測できます。属人化を避けやすいです。 - ガバナンス担保
共有範囲や外部アクションの制限を先に決められます。誤操作や情報漏えいのリスクを抑えます。
とはいえ:専門分化の“やり過ぎ”はコストです
専門家を増やすほど、切替の負荷と情報分断が増えます。はじめは3名(司令塔+監査+文章編集)で十分です。
成果物の型とやりとりの様式が固まってから4〜6名に拡張すると、混線しにくいです。
また、企画や計画、要件定義から制作物チェックなど役割が大きくことなるため、実際にチームメンバーをどのようにするのかを考えてGPTを用意すると良さそうです。
また、規格や法令のアップデートは避けられません。該当GPTは「常に根拠リンクを添える」を運用ルールにしてください。可能な限り一次情報などの根拠元を指定しておくと良さそうです。
“推測で解釈しない”も強く書いておくと安心です。
GPTごとの“設計テンプレ”
各GPTの説明文には、次の7点を共通ブロックとして入れておくとブレません。
役割/対象入力/出力形式/禁止事項/ブラウズ指針/DoD/口調、です。
役割:あなたは◯◯の専門家です。要件から成果物に落とし込みます。
対象:URL/コード/原稿/画像ルール など
出力:Markdown表+差分コード(必要に応じて)
禁止事項:推測での法解釈禁止/他職域の判断をしない
ブラウズ指針:変動情報は必ず検索し根拠URLを添付
DoD:Core Web Vitalsオールグリーン 等
口調:平易・断定避け・ですます調
アクセシビリティ専門家の出力フォーマット例です。
「何が問題で、どの基準にどう抵触し、どう直すか」を一望できる形にします。
## 重大度High
|ID|箇所|問題|根拠(WCAG/JIS)|修正案|差分|
|--|--|--|--|--|--|
## 重大度Medium
...
### 再計測結果
- Lighthouse A11y: 97(Before: 88)
まずは“最小3名”から:現場の回し方
司令塔PM+監査官+文章編集の3名で、まず1スプリント回します。
司令塔がブリーフを切り、監査官が指摘と差分を作り、文章編集が見出し・本文・代替テキストを整えます。
最後に司令塔がDoDで検収。改善点はSOPに追記して、次回に効かせます。小さな成功の積み重ねが一番速いです。コーヒーはお好みでどうぞ。
向くタスク/向かないタスク
向くタスク
- 出力形式が定型(記事、監査報告、契約案、差分パッチ)。
- 繰り返し発生(同種のLP監査やブログリライト)。
- チェックリスト運用が効く(A11y、SEO、コードレビュー)。
向かないタスク
- 要件が曖昧な探索フェーズ。(ただし、エージェントモードやDeep Reaearchを使えばここも解決するかも?)
- 企画初期の“偶然の出会い”が欲しいブレストのタイミング。
この場合は、まず司令塔が広く当てて要件を固め、必要な専門家GPTを順次呼び込むと失敗が減ります。ここもDeep Reaearchで解決か?
運用の小ワザ:切替・観測・ガバナンス
- 切替:同じスレッドで司令塔→専門家へ“担当交代”する流れを固定。
- 観測:どこで詰まっているかを工程単位で見える化。
- ガバナンス:外部アクションのドメイン制限や共有範囲を最初に決める。
これだけで「誰が何をしているのか問題」がかなり静まります。静かな職場は生産性が高いです(経験則です)。
失敗パターンと回避策
- 専門家を増やしすぎる → まず3名で回し、型が固まってから増員。実際のチームメンバーをイメージ。
- 境界が曖昧 → 各GPTの「禁止事項」を明記。越境判断を止める。
- 検収が甘い → 司令塔がDoD(数値基準)で締める。
当たり前のようで、これが一番。
というわけで:万能1体より“小さな分業チーム”
万能型1体で頑張るより、司令塔+専門職たちの小さな社内チームのほうが、結果的に速くて安定します。
ポイントは、役割の境界線を引くことと、引き継ぎの型を先に決めることです。
最小3名からはじめて、SOPとDoDを育てながら拡張してください。
完璧を目指すより、まず小さく回して学習する。これがいちばん心も軽くなります。






