【2025年版】ISO20022と暗号資産を掴むコツ

メモ書き
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当記事は以前、書いた記事の補完と今後の個人的な走り書きになります。

こんにちは!

今日は、ISO20022と暗号資産(仮想通貨)の関係を整理します。
「ISO20022に“対応した仮想通貨”が強い」みたいな話、よく見かけますよね。今回はそこにツッコミを入れつつ、世界の移行スケジュール、動き、投資の考え方まで、肩の力を抜いて解説します。


ISO20022って何?

ISO20022は金融メッセージの共通語です。
送金データの「誰が」「どこへ」「何のために」を、これまでより細かく・同じ型でやり取りできるようにする規格だと考えてください。
これにより、請求書番号と支払いを自動で突き合わせたり、不正検知やスクリーニングを賢く回したりしやすくなります。家計簿アプリがレシートを自動仕分けしてくれるイメージに少し近いです。もちろん魔法ではないので、旧システムとの橋渡しや運用設計には時間がかかりますが、世界中で計画的に移行が進んでいます。


2025年の「ここだけ押さえる」

まずはスケジュールの要点だけまとめます。
1) SWIFT(国際送金)
旧MTと新MX(ISO20022)の共存は2025年11月22日で終了予定。2024年6月の理事会で再確認されています。いよいよ“本番モード”です。

2) アメリカの大口決済
民間のCHIPSは2024年4月に移行完了。さらにFedwireは2025年7月14日に実装し、15日に移行完了を正式発表しました。米ドル決済の柱が新フォーマットに乗りました。

3) 欧州・英国
ECBのT2(旧TARGET2)は2023年3月稼働英国CHAPSは2023年6月に移行。英国は“強化データ”の必須化も段階的に進めています。4) 日本日銀ネット(BOJ-NET)のISO20022電文は2019版(Version 8)へ2025年11月25日に改訂予定です。SWIFTの共存終了と足並みをそろえる形ですね。

おまけで細かい話ですが、“指図(instruction)以外”の一部メッセージは共存延長が示されています。実務の方は対象範囲を資料で確認しておくと安心です。


よくある誤解:「ISO20022準拠の仮想通貨が最強」って本当?

ここははっきり言います。“ISO20022に準拠した暗号資産”という言い方はミスリードです。
ISO20022はメッセージ(通信フォーマット)の標準で、仮想通貨そのものを認証する仕組みではありません。ISO公式のFAQでも、暗号資産はデフォルトでISO20022準拠ではなく、暗号資産の識別はISO24165(DTI)が担当と明記されています。つまり「トークン自体がISO20022に準拠」という表現はズレている、ということです。

ネットでは「仮想通貨はISO20022準拠」的な表現を見かけますが、“準拠した仮想通貨”を公式に認定する制度は存在しません。プロダクト(送金ゲートウェイ等)がISO20022メッセージを扱えるのと、トークンが準拠しているのは別のお話、という整理が大事です。


じゃあ暗号資産とISOは無関係?

直接「仮想通貨が準拠」ではない一方で、暗号資産エコシステムとISOの接点は拡大中です。
カギはISO24165(DTI:Digital Token Identifier)。これは暗号資産に9文字の一意コードを付ける国際標準で、DTI Foundationが登録・管理を担います。EUのMiCA(暗号資産規制)では、ESMAの最終技術基準でDTIを用いる方向性が確認され、監督・レポーティングの現場で“トークンを特定するための辞書”として組み込まれつつあります。

この二段構え(銀行側のメッセージ=ISO20022トークン識別=ISO24165)が整うほど、オンチェーン資産がオフチェーン金融に溶け込む道が広がります。支払い理由や請求情報(ISO20022)と、「どのトークンか」(DTI)が同じKYC/AMLや会計・監督報告のラインで突き合わされるイメージです。地味ですが、ここが実装と制度の理解になります。


現場では何が良くなる?

移行が進むと、データが“リッチ”な状態で動くのが当たり前になります。
企業では、請求番号と入金の自動照合が進み、経理の“探し物タイム”が減ります。銀行では、審査や不正検知の精度が上がり、誤送金の減少にもつながります。たとえば海外の取引先に支払うとき、相手の請求情報をメッセージに“構造化して”載せられるため、手作業での照合作業がぐっと軽くなります。結果として、即時性のあるオンチェーン手段(ステーブルコイン等)と、オフチェーンのコンプライアンスを合わせ技で使う設計がしやすくなる、というわけです。


投資の考え方

「ISO20022を理解すれば、暗号資産の技術的見解が深まり、なぜその仮想通貨が重要なのか、どんな価値があるのかが分かる。結果、納得できる未来にBETできる」
このスタンスです。知っておくと、どのプロジェクトが“現場の要件”に噛み合っているかが見えやすくなります。逆に、そこを無視している設計は、魅力的に見えても投資先としては不安が残ります。
2025年はFedwire完了/CHIPS完了/欧英は完了済みSWIFTの共存終了と節目が重なります。ここからは「リッチデータを活かしたユースケース」を持つプロジェクトが、じわじわ評価されるはずです。

焦らず見るのが、心の安寧にも効きます。


チェックポイント

① 接続点を確認
そのプロジェクトはどこでISO20022データを入出力できますか? APIや銀行接続の仕組みを書面で説明しているかを見ましょう。

② 識別子を見る
DTI(ISO24165)の扱い方、レポーティングの設計はありますか?ESMAの文書でDTIが位置づけられている流れを追うと、考え方の筋道がつかめます。

予定の確認:
2025/11/22(SWIFT共存終了)
2025/11/25(BOJ-NET 2019版へ改訂予定)
2025/7/14–15(Fedwire切替・完了)
制度面の節目は、実需が動きやすいタイミングです。


2025年のトピックまとめ

  • FedwireがISO20022へ移行完了(2025/7/15発表)。米ドルの中枢レールが新言語に。周辺のAPI・データ活用が進みやすくなります。
  • CHIPSは2024/4に移行完了。初日から通常運転に近いボリュームを処理し、実務的に“いける”ことが示されました。
  • SWIFTは“11/22で共存終了”を再確認。一方で指図以外の一部メッセージは共存延長の整理も公表され、焦点が明確になりました。
  • 英国CHAPSは2023/6に移行済み、強化データの必須化も段階導入。
  • 日本はBOJ-NETを2019版へ(2025/11/25予定)。越境×国内の突合せが滑らかになる下地づくりが進みます。

というわけで:結論

  • ISO20022は“文法”。文法が分かると、現場で本当に使える設計かを見極めやすくなります。
  • “準拠した仮想通貨が強い”という売り文句は要注意。仮想通貨自体をISO20022が認証するわけではありません。接続点(実装)を見るのが近道です。
  • 2025年は節目の年。世界のレールが整いつつあり、リッチデータを活かすユースケースが評価される局面に入っています。ここで、自分が信じられる未来に小さくBETしていくのが現実的です。

参考リンク

免責:本記事は情報提供であり、投資助言ではありません。暗号資産は価格変動が大きい資産です。実行前にご自身でご確認ください。

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