ハリウッド脚本術から学ぶWebプランニング(中編)

ハリウッドって王道作品が多いですよね。

前回の記事はこちら
ハリウッド脚本術から学ぶWebプランニング(前編)

みなさんこんばんは。
宮城県仙台市にてWebのちからで様々な情報にアクセスしやすくし、様々なパフォーマンス改善をしちゃったりする時にはWebディレクター、時にはWebプランナー、時にはWebエンジニア、時にはWebデザイナー。
世界中の映画好きの味方、ma-sanです。

本日は前回の記事の続きになりまして、ハッピーエンドと物語の主人公について解説したいと思います。
結末に「神」の採用はありえない、と前回のまとめで書きましたが、フィクションですら興ざめしてしまうのに現実で「神」が現れるなんて、そんな都合のいい話はありません。

ハリウッドってよくある流れだよねー、という「よくある」を実現する書籍がこちら。

人を撲殺しかねないくらいの分厚さですが、実際にこの書籍をもとにハリウッド作れるぞ!とか言われても世の中の人々は信じないでしょう。
実際はこんな書籍よりも遥かに膨大な技術と知識と経験などが文脈に潜んでいるはずですから。

というわけで本日のお話です。

1.ハッピーエンドを望むには感情移入が必要

物語を楽しむ上で、ハッピーエンドを望む、つまり感情移入をするためには物語であれば重厚なストーリーや歴史が必要として上で、主人公になんらかの試練・困難を与える、特定のキャラクターに悲惨な過去を提示して同情を誘う、などのユーザーの体験を連想させるという手法が用いられます。
ここは、想像しやすい、というものものが重要です。
恋愛が苦手なキャラクターだとしたら、過去に恋愛でひどい仕打ちを受けた、など想像しやすい過去を背負わせて感情移入を促したりします。
一貫した姿勢の上に、これらの背景を提示することで「納得」が生まれ、そこから「感情移入」が始まるのです。

納得は仕事をする上で必須であり、この納得がなければ当然、ユーザーは離れていきます。

仕事は、常に困難に挑む前提となります。
クライアントにとって困難、ユーザーにとって困難な状況を解決に導くために自分たちの仕事がある、と思います。

2.ユーザーは常に主人公

物語における主人公は共感を呼び、または憧れる対象となるべきです。
ここで、ユーザー自身を主人公を見立てた場合、脚本の中では「成長し、最終的にはハッピーエンドになる」というアゲアゲな展開が期待できます。
手法として物語上で「起承転結」のうちの「転」が発生し、「これからどうなるのだろう」という期待や焦りを促します。そこで、「結」によって期待を上回り、「良かった」というポジティブな感情が成立するのです。

もし、ユーザーが主人公であればWebを通して「良かった」というポジティブは感情を湧き起こさせる必要があります。

我々の仕事で失敗するパターンがあるとしたら「ターゲットユーザー」という「大衆」にフォーカスを当てすぎた結果、「モブキャラクター」向けのデザインをしている場合です。

3.共感される主人公、されない主人公

ここで共感される主人公とされない主人公として、大局的なキャラクターを想像しましょう。

いつだってポジティブな主人公
いつだってネガティブな主人公

さて、この大前提で言えばポジティブな主人公のほうが多くの方に親しまれるでしょう。
しかし、現実には主人公に感情移入をするには人はそれなりに「ネガティブ」な面が必要です。だからこそ、課題解決のために様々なサービスだったり、すっきりしたいということで娯楽に興じる場合もあるでしょう。怖いもの見たさ、未知の領域を知りたい、などの欲求もこれにあてはまります。
現状に満足している方は、新たなサービスや娯楽にチャレンジすることはなかなか難しいものです。

いつだってポジティブな主人公は、常に上がり続けます。そんな人を見続けるのはつらい、というネガティブな人もいるでしょう。
もちろん、ただの楽観的な主人公であれば「バカじゃないの?」となります。そのため、どんなにポジティブな主人公でも環境そのものをネガティブにする、という手法が採用されやすいです。

4.物語の構築もテンプレートが存在する

・バトル物(スポーツ物)
「戦う舞台の説明」→「強敵が現れ、敗北する」→「強敵を倒すために強くなる」→「強敵を倒し、成長の実感」→「解決、もしくは英雄になる」
例:スラムダンクなど少年漫画全般

・デスゲーム物
「仲のいい知り合いと過ごす」→「知り合いとデスゲームに巻き込まれる」→「みんなと一緒に生き残る道を探す」→「デスゲームそのものを打破・回避する」
例:バトルロワイヤルなど

・恋愛物
「好きな人と出会う」→「恋敵・障害(不治の病など)が現れる」→「周りに振り回されながらも想い人と結ばれる道を探す」→「お互いの障害を乗り越え結ばれる(結婚など)」
例:少女漫画全般

共通しているのは、現状・環境をより良くしていくもの、つまりは登場人物のよりよい体験が演出されます。

5.流行りと廃り

デスゲームを例にしましょう。
多くのデスゲーム物が昨今までに排出されてきましたが、多くのものが最終的には超展開となり、オチも投げっぱなしの状態で結末を迎えるというものがありますが、こうした作品そのものが終わったあとも流行っているという話は一部の例外を除きあまり聞きません。(B級映画として一部コアなファンがいるシャークシリーズは、もはやサメが暴れるシリーズ)
これはパニックホラー物というジャンルにも共通するのですが、とにかく化物を登場させて登場人物を蹂躙して、もはや人類には絶望しかない、というこれもまた「デウス・エクス・マキナ」のような手法が使われます。
物語より、「手法」「特色」そのものを楽しむものです。つまり、一発ものです。

パニックホラーで有名といえば「ミスト」という作品もありますが、これはこれでネタバレになるので伏せますが、なぜ有名になっているのか、というところを考える余地はありそうです。

理不尽に対しての解決と、解決できない場合、どちらにせよ納得が必要ということになります。

Webサイトはどうでしょうか?その場限りのコンテンツと、永続的なコンテンツ。これらをしっかりと使い分ける必要がありますがどちらにしても「納得」が必要です。

まとめ

ポジティブな主人公がハリウッドの脚本上、残酷な現実を突きつけられたとしても「俺(私)はみんなを信じる!」と言い続けるのは無理があります。
しかし、その無理を乗り越えるからこそ主人公の証かもしれませんが、ただひたすらにポジティブなことをいい続けたらやはりそれは「こいつはただの馬鹿なのか?」と思われます。つまり、共感できません。
なので、途中で疑心暗鬼になったり、諦めそうになったりという場面が発生します。これは環境のせいでネガティブになるのですが、あまりにもやりすぎると「主人公がネガティブすぎて辛い」となりユーザーが離れます。

しかし、「主人公はいつかこの状況を乗り越えるのだろう」という期待ができます。
それは「主人公がポジティブ、常に上がり続ける存在だから」というお約束のためです。

Webという世界において、ユーザーを主人公と定義した場合、どのようなアプローチが必要でしょうか?
昨今ではUXアプローチによるユーザー調査やペルソナなどの定義が流行っていますが、主人公ではなくモブキャラクターを生み出していないでしょうか?

めちゃくちゃ前置きが長くなりましたが、次の記事でもっと詳細を書いていきます。



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