ハリウッド脚本術から学ぶWebプランニング(前編)

ハリウッドって上がる作品が多いですよね。

みなさんこんばんは。
宮城県仙台市にてWebのちからで様々な情報にアクセスしやすくし、様々なパフォーマンス改善をしちゃったりする時にはWebディレクター、時にはWebプランナー、時にはWebエンジニア、時にはWebデザイナー。
世界中の映画好きの味方、ma-sanです。

本日は僕の好きな書籍をご紹介します。

ハリウッドではある程度のテンプレートが用意されています。ヒット作などからくる膨大なノウハウなど、ふんだんにかかれているのが「ハリウッド脚本術」です。
結構前の本ですが、現在でも使えるノウハウがたんまりあり、もし提案・脚本などに興味のある方は必読の一冊です。
起承転結とは日本では有名ですが、同じような考え方が多いです。
それは「売れる王道」であり、多くの人々が取っ付き易い「情報」となります。
ハリウッドでは人々の「共感」「納得」を組み立てていくのがうまく、悪い言い方をすると「ありきたり」「お約束」の展開を構築していきます。
これは、「観衆の期待を裏切らない」という前提を持っています。

というわけで本日のお話です。

1.脚本家の課題

  • ドラマが原因で、主人公の人生はどのように変わるのか。
  • あなたの主人公がもっとも幸福なのはいつか。
  • あなたの主人公は、どんな能力を持ちたいのですか。
  • もしあなたの主人公が自分自身について一つ変えることができるとしたら、それは何ですか?
  • あなたの主人公が自分で達成したことでもっとも凄いとか考えているのは何ですか?
  • あなたの主人公がもっとも大切にしている持ち物はなんですか?
  • あなたの主人公の最大の無駄遣いはなんですか?
  • あなたの主人公は、いつ嘘をつきますか?
  • あなたの主人公がもっとも後悔していることはなんですか?
  • あなたの主人公がする最初の劇的選択はなんですか?
  • なぜ、あなたの主人公は、もっとも容易な手だてを取る代わりに、その選択をする必要があるのですか?
  • 主人公が劇的選択をすることで、まず何が起こりますか?
  • 主人公の劇的選択により、他の登場人物はどんな影響を受けますか?

こんな問いが100以上存在します。
脚本家、というのは自分自身として置き換えて、主人公というのはWebサイトをユーザーとして扱うとちょっと想像しやすいかもしれません。

2.観客を満足させる構成

どういった構成が観客を満足させるか。
これもWebサイトのプランニングを考える上でとても参考になります。

ⅰ.始まり=誘引

一つの問題を持った主人公を提示する。その問題は明確にそれと分かる目的に到達することで解決されるものでなければならない。そして意外な事件から彼を困難な状況に陥らせる。

ⅱ.中盤=期待

主人公が小さな成功と失敗を繰り返し、ドラマをエスカレートさせていく。それらの出来事はバラバラのものではなく、ドラマが描こうとしている重要な変化の成否に欠くことのできない繋がりを持っている必要がある。ストーリーの文脈の上で面白い出来事であることが重要。それによってドラマ全体に対する期待が高まる。ここに適当な劇中劇などは必要ない。

ⅲ.結末=満足

主人公が内的な問題(始まりの一つの問題)と外的な問題(困難な状況)を共に解決し、価値ある目標に達する。こうしてこれまでの色々な出来事を引き取り、観客に「全体の統一(ゲシュタルト)」を見た、と思わせ満足を与える。

3.スクリーンの要素

映画を作る上での見せ方になります。
プランニングをする上での構成にも一役買います。

ⅰ.バックストーリー

必要最小限に抑える。多くの設定があるのはいいが、全て表に出すことはない。
Webサイトもコンテンツが過剰に多いとユーザーが目的に到達することができないなどあります。

ⅱ.内的な欲求

主人公の抱えている問題(失われたなにか)。本人が気づいていない場合もある。

ⅲ.キッカケとなる事件

主人公が問題を解決するキッカケとなる事件が起こる。主人公は強制的に巻き込まれ、ドラマが始まる。

ⅳ.外的な目的

事件を解決するための外的な目的。それに達することで内的な問題も解決される。
「偶然が必然になる」。

ⅴ.準備・倒す・継ぐ

外的な目的を達成するための準備期間。体を鍛えるイメージ。中間の障害を出すならここ。

ⅵ.対立

主人公が目的に到達するのを妨げる敵対者。主人公よりも圧倒的に強い。悪人である必要はない。それは環境の変化としてもあり得る。

ⅶ.自分をハッキリと示すこと

敵対者に追い込まれたことにより、内的な欲求に取り組むようになる。そして内的な変化を経験し、自分をハッキリと示す。これは言葉ではなくアクションで表すのがいいらしい。
(悲惨な顔つき→何かを決意したような顔つき。大声を上げる)

ⅷ.オブセッション

外的な目的を達成しなければ、多くのものが失われることを示す。力を得るために命の代償などを示すとより重要さが増す。

ⅸ.闘争

もう妥協はできない。主人公と敵対者は戦うしかなく、勝者は一人。騎兵隊・神の登場は最悪。

ⅹ.解決

主人公は勝利する。その後、経験を余儀なくされた内部の変化のため、次は彼が周囲の社会に重要な変化をもたらす。

4.エンディングの定義

物語ではエンディングも大きく分けて4パターン存在します。
ユーザーにどうなってもらいたいか、という大きな指標にもなりますよね。

「人」と「環境」ともにハッピーエンドを迎える

物語で言えば「主役」「環境」ともにハッピーとなります。
主役も他人も、大きい範囲だと世界中が幸せの状態です。所謂、大団円です。

「人」はハッピーになれなくとも「環境」はハッピーに。

所謂、主役の犠牲によって周囲が幸せの状態に置かれるものです。
主人公を犠牲に、世界が救われるとか、ヒロインは死亡するが主人公は乗り越えるとか。

「人」はハッピーになるが、「環境」はハッピーにならない

主役たちは生き残ったが、世界や環境が不幸な状態に。所謂、バッドエンドに近い状態。
世界が滅びても主役たちだけで生きるとか。
アーティスティックな作品は特定の人に刺さり、ヘビーユーザーを生む可能性があります。

「人」も「環境」もハッピーにならない

バッドエンド。打ち切り。誰も幸せになれない。
問題提起となり、第三者、つまりはユーザーまで不幸になるかは不明。
テーマそのものが問題提起であり、舞台の誰も幸せにならないが閲覧者に判断を委ねるパターン。

5.我々の仕事はハッピーエンド以外ありえない

さて、誰かを不幸にした上で自分だけが幸せになる仕事は良いのでしょうか。
「良い」という人もいるでしょうが、できることなら「みんなも」幸せになるのが良いですよね。
会社としては利益が高く、社員もゆとりを持って働きたい。
クライアントとしては投資に対して、大きな成果がほしい、担当者は給料アップ。
お互いにまた仕事をしたい、と思えるようになるには双方ともにハッピーエンドが必要です。
そしてこれは、ユーザーにとっても同じことです。

まとめ

結末に「神」の採用はありえない。

脚本の手法として、「デウス・エクス・マキナ(機械仕掛けの神)」というものがあります。
分かりやすい言い方をすると「どんでん返し」「超展開」「夢オチ」「ご都合主義」などがあるのですが、仕事でこれらの言葉はもはや言うまでもなく禁忌とされるでしょう。
物語において、神が全ての黒幕だった、というものは多く存在しますが、その場合は「伏線」という形で情報を散りばめておく緻密な手法が必要です。これを疎かにした場合、上記のような言葉で「否定」されます。
結末に「唐突な課題解決」「提供側の一方的な情報提供」は観衆にとってシラケる要因となり、紀元前で流行ったとされるこの手法は現代において脚本を書く上でも禁忌とされています。

私達が行う仕事において、当然ながら都合のいい神はいません。
Webサイトを構築する上でも「このサービス(商品・技術)を使えば全て解決します!」というのはありえません。

Webサイトも、映画も、重要なのはストーリーであり、登場人物であり、世界観であり、テーマです。

というわけでハリウッド脚本術のアウトプットは続きます(え。。。)



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