この記事はWebアクセシビリティアドベントカレンダー2018 2日目の記事になります。

みなさん、はじめまして、こんばんは、こんにちは、おひさしぶりです。
宮城県仙台市でせこせこWeb制作をしていた鈴木正行です。サイト名でもあるma-san(まーさん)はあだ名です。会社の方からはまーたんと呼ばれてるのですが、なんでもいいです。

2014~2016年のアドベントカレンダーでも記事を書いていたのですが、諸事情により当Webサイトが2017年の10月くらいにこの世から消滅しました……。そして更に諸事情でバックアップデータも消滅しました。とほほ~。
以前、投稿した記事は「東北地方でもWebアクセシビリティをやろうぜ!」と、それに関する投稿です。
※当時お世話になった方々、ありがとうございました……。

と、いうわけで直近の報告も兼ねてタイトルの通り、CXDやってました、という内容です。
CXDとはCustomer Experience Designの略で、簡単にいうと顧客体験をデザインしましょう、です。

Webサイトを運用・構築をする際にはこの顧客体験の良し悪しというものが非常に重要です。



この記事の背景

フロントエンドエンジニアとして、学生時代からはFlashなどを中心にWeb業界に長く携わってきましたが、近年「Webアクセシビリティをやろうぜ!」の実現には上流工程から介入しないとWebアクセシビリティの実現はなかなか難しいなと考えるようになりました。
アクセシビリティに知見のある方々と交流していく中で「自分一人で頑張ったらそりゃコストになる」「制作側だけ頑張ってもできることは限られている」「そもそも、Web上だけで品質を担保するという考えがまずい」と思うようになり、まずは少し上流工程に介入するように。
そんな中で感じたことは「施策レベル(制作・改善など)」でも遅いなと気づき始めます。

というのも、Webサイトそのものの品質を向上させたとして、大前提である「サービスそのもの」「カスタマーサポートそのもの」に問題があることも非常に多かったからなのと、企業が求めるのはそうした「戦略レベル」の改善を要求してくる傾向が強いからです。

そして、自分の中ではCXD(Customer Experience Design)の重要性に改めて気づき始めました。

CXDとは顧客体験価値を向上させるためのデザイン

“最も信頼できるのは、自分たちが知っていて、信頼している人から直接届けられる広告。10人中8人(83%)は、友人や家族からの推薦を「完全に」、または「ある程度」信頼しています。しかし影響力のある口コミは、必ずしも親しい人が発するものだけとは限りません。回答者の3分の2(66%)はインターネット上の消費者の口コミを信じており、信頼度の高さは全調査対象形態の中で第3位です。”

ニールセン 広告信頼度グローバル調査 2015

ニールセンによる調査を真に受けるのであれば、顧客体験はどんどん人から人に拡散されていきます。更に、信頼できる情報というのであれば「良い体験」も「悪い体験」も拡散されていきます。

良い顧客体験というのは顧客体験価値やロイヤリティの向上をもたらし、ビジネスとしても大きなインパクトを与えるでしょう。
悪い顧客体験というのは真逆で、不満足なサービスを受けたということで顧客体験価値やロイヤリティの低下をもたらし、こちらも大きなインパクトを与えます。

顧客体験価値向上を目指すのであれば、Webにおけるアクセシビリティの担保は必須と言えます。技術的な内容だけではなく、企業として取り組みに対するロードマップ作りに組み込んでいかなければなりません。
サービスなどを紹介するWebサイトにおいて、アクセスのしやすさを担保するのはユーザーに大きな影響を与える企業にとっては必須とも言えます。

企業のWebサイトがアクセスしやすい、困っていたら気持ちよく助けてくれた、ということになればユーザーは満足し、良い体験をしたということで拡散していくでしょう。
企業のWebサイトがアクセスしにくい、求める情報を取得できない、課題を解決できない、ということになればユーザーは不満をいだき、悪い体験をしたということで拡散していくでしょう。

そうした考え方を持った上で、Webアクセシビリティというのは「Webにおける顧客体験価値を向上させるための品質である」と言っても過言ではないと考えます。

そして、Web上でのサービス、カスタマーサポートを行う上でも必須です。

顧客体験価値向上は多くの企業が意識している

「ユーザー視点」という言葉があるように、顧客を中心に満足度を高めるために様々なアプローチがありますが、そこには学習コスト・管理コスト・対応コストなどなどたくさんの課題が存在します。そして多くの企業が効率よく課題を解決するために「KGI(Key Goal Indicator)」や「KPI(Key Performance Indicator)」の設定をしたりしますが、解決に向けたデザインが本当にできているか、というと苦戦している企業も多く存在します。

アクセスを阻害しない

Web業界で働いている身としてはWeb上でのアクセス方法や解決方法を中心に考えてしまいますが、世の中のサービスの多くはWebだけで成り立っているわけではありません。
単一的なアクセス方法だけではなく、より多くのアクセス方法を提示することが重要ではないでしょうか。
そして、Web業界で働いているとしても、そうしたサービスの全体像やカスタマーサポートの在り方を考えた上で、制作を進めていく必要がでてきます。

そうした前提がなければWebアクセシビリティをやろうぜ!と言ってもただの施策の一つとして、コストやタスクとしか見られないことがあります。

Web制作者も戦略としてCXDを求められることがごく普通になってきた

WebアクセシビリティはWebにおける設計段階より以前の、サービスの在り方やその情報の伝え方において戦略レベルから設計する際に考慮すべきです。顧客体験価値向上を狙うのであれば非常に有効であり、且つ大前提ということを言いたいです。
顧客体験価値向上という点でもそうですが、世の中のあらゆる課題を解決していくには「様々な課題解決へのアクセス」が求められ、そういう意味ではWebは性質上とてつもない可能性を秘め、その品質とも言えるWebアクセシビリティというものは重要な指標でもあるのです。

長々となりましたが

WebアクセシビリティはWeb制作者、という立ち位置であれば考慮すべき事項でありますが、コンテンツを提供する側である企業・クライアント・個人のサービスを考えていく上で制作者と提供者、そしてユーザーと共創していくべきものです。
特に、CXDはカスタマーサポート、ヘルプデスクなどの連携が出てくるためWebにアクセスできるということは非常に重要な役割を果たします。
技術的なアプローチによる解決も大切ですが「Webアクセシビリティをやろうぜ!」ということは顧客体験価値向上とあわせて、コンテンツ改善やサービスの設計も考えていかなければなりません。

ということで、ここ最近は技術的なアプローチよりも、戦略的なアプローチからCXDによるサービス改善や構築、及びWebアクセシビリティをやっていました。おしまい。